歯科治療の痛み


2018.1月号


 DMF歯数(虫歯や処置済の歯の数)は年々減少しており20歳代では現在4~6本です。実に80%の歯が全く削られておらず残っているということになります。10年前は8~10本でしたが、予防観念の高まりとともに虫歯の発生は既にコントロール可能な時代となっています。当科の研修医2人も治療した歯はほとんどなく、聞いてみると歯の治療に関しての疼痛経験はほとんどないようです。かたや、私の歯は何とか抜けているところはありませんが、治療済の歯はたくさんあります。自分の頃は(というフレーズはタブーのようですが)まだ虫歯全盛の時代で、クレゾールの芳香がお決まりの待合室には多くの患者さんがいらっしゃいました。実家が歯科医院ではありませんでしたので、痛い歯ができるとどこかしらの歯科医院を受診していたのですが、ある時歯の神経の治療をしなければならなくなり、ふたつの選択肢を与えられました。「注射を使う方法と、薬を使う方法、どちらにする?」と言われ、注射の恐怖心から迷わず、薬による方法を選択しました。歯科医師になった今は、この時の薬が何だったのかはほぼ想像できますが、その夜は激痛で悶絶し、数時間うなっていました。痛みから解放されたのは、神経線維がその機能を失った後のことです。後にも先にもあの時ほどの痛みの経験はありません。健康な歯を持つ研修医にその痛みをあえて経験していただく必要はありませんが、自分の治療でどのような反応が起きるのかを体験していると、患者さんへの対応も随分違うものになると思っています。**************

 新年から歯痛の話で申し訳ありませんでしたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。来月2月14日(水)に7歯科医師会連携懇親会を開催させていただきます。(別紙案内をご覧ください)スタッフ一同先生方とお会いできることを楽しみにしておりますので皆さま、お誘いの上是非ご参加ください。

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