当科の対応とポストコロナへの準備
2020.5月号
歯科口腔外科 部長 長谷川 士朗(はせがわ しろう)
刻々と情勢が変わる毎日ですが、連携医の先生方におかれましては、無事にお過ごしでしょうか。当科は現在(GW直前時点)COVID-19対策として、緊急性のない処置・手術は延期となっております。初診の予約は受け付けていますが、処置の内容により治療開始を後日とさせていただくことがありますのでご了承ください。もちろん急患につきましては従来通り随時対応させていただきます。診療を縮小・制限されている先生方もいらっしゃると思いますので、緊急性のある口腔外科症状だけでなく歯髄炎などの一般歯科関連の急性症状も対応させていただきますので、お気軽にご連絡ください。
さて、誰も予期できなかったこの未曾有の状況ですが、必ず事態が収束する時期が来るはずです。歯科診療は口腔細菌の感染症と向き合っているため、自らが感染したり若しくは媒介してしまうことがないように、日ごろから注意を払ってきました。しかし、今回の事態は更に厳重な防御対策を我々に求めてきました。考えてみれば、いわゆるエアロゾルが発生する歯科診療は本来こうあるべきだったのかもしれませんが、以前の日常に戻った時に現在の診療体制をどのように修正、適用させていくか歯科スタッフ間で現在検討中です。「親知らずの抜歯」「義歯の治療」「歯科衛生士のブラッシング指導」これらはいずれも口腔内に介入する内容ですが、一律に長袖ガウン+N95マスク+フェイスシールドの対応は難しいと言わざるを得ません。「禍を転じて福と為す」ではないですが、口腔感染症を扱う専門家としては、改めて個々の治療内容に適した対応策や、今までは当たり前だと考えていた働き方の見直しを考える機会にしたいと思っています。
この苦難を乗り越え、また皆さまと笑顔でお会いできる日を楽しみにしております。