痛い時のサイン
2020.11月号
いつも連携だよりを読んでいただいている歯科の先生よりコメントをいただきました。
「他院では『痛いときには手を挙げて』とよく言われるようだが、この様なことを言ってはいけない、麻酔を完全に効かせて行うべきだと思います」
痛いときには手を挙げて下さい、というアナウンスは確かによく聞かれます。歯科治療時は口が塞がっているので、このようなサインで遠慮なく伝えていただく、という配慮と思われますが、痛くても手を挙げられず我慢していらっしゃるのが現実ではないでしょうか。患者さんが一番ストレスを感じるのが、麻酔が効かずに治療をされることだそうです。さらに、歯科治療時の偶発症が起こるタイミングで一番多いのは局所麻酔の時です。治療時の疼痛有無は歯医者を品定めする最も分かりやすい基準ですので、歯科医側も痛みを与えないことを第一に考えるのですが、虫歯の急性疼痛などで通常の局所麻酔が効きづらいことが時々あります。患者さんはもちろんですが、いろいろな手段を駆使しても除痛できない時は歯医者側も辛いです。あそこの歯医者は痛いからダメ、と短絡的に判断されないために麻酔を確実に効かせるスキルを身につけ、患者さんに痛いと言われても「効かないはずはないのに・・」と思わずに「そうですか、すみません」と心の中で謙虚に、気持ちに余裕を持って対応したいものです。そして最近は拡大鏡を用いる先生も多いと思いますので、患者さんの痛そうなサインを見逃さないように、アシスタントの方の気配り・目配りも大切と思われます。