耳鼻咽喉科のご案内
特色・専門領域
- 耳鼻咽喉科では難聴や耳鳴り、耳痛などの耳の症状、鼻詰まり、鼻水といった鼻の症状、喉の痛みや違和感・声がれ・嚥下障害などの咽喉頭の症状、顔面神経麻痺や頭頸部の腫瘍の診療を行っています。当科では、患者様お一人お一人と全人的に向き合い、QOL(生活の質)向上を目的とした診療に努めております。
- 突発性難聴に対する多彩な治療が当科の特色です。突発性難聴は、原因不明の急性高度難聴であり、いまだにその原因は確定しておらず、科学的根拠の高い治療法も確立していません。その中で、有効性が示唆されているのは、副腎皮質ステロイド療法と高気圧酸素治療です。当院は都内でも3施設しかない多人数の治療が可能な高気圧酸素治療室を有していることから、副腎皮質ステロイドの投与に加え、高気圧酸素療法、星状神経節ブロックを組み合わせて、2週間の入院加療を行っています。突発性難聴発症2週間以内の高気圧治療は、難聴の改善に対して有効であるとのデータがあり、発症早期からの治療が有効です。当科におけるこれまでの治療成績を解析した結果、発症から1か月以上経過してから高気圧酸素治療を行っても聴力改善成績は不良であることから、当科での高気圧酸素治療は発症1ヶ月以内の方を対象としています。
- 中耳疾患の治療にも力を入れています。小児急性中耳炎や小児滲出性中耳炎に対しては、ガイドラインに沿った抗菌薬の選択、治療を行っています。慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎、耳硬化症といった外科治療にも積極的に取り組んでいます(4-5日間の入院)。とくに高齢者の方では、加齢性難聴に加えて中耳疾患が存在すると難聴が高度になりますが、治療を行うことで生活の質が大きく改善することがあります。
- 耳疾患の診療に加え、嚥下障害診療は当科のもう一つの柱です。嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査による嚥下障害の病態の専門的評価、嚥下リハビリテーション指導のほか、嚥下障害に対する外科的治療を積極的に行っているのが当科の特色です。嚥下改善手術や誤嚥防止手術といった外科的治療が効果を奏するためには、手術後のリハビリテーションや介護環境の整備も重要ですが、当科ではリハビリテーション科、神経内科や口腔・嚥下ケアチームとの多職種協働により、治療前後の包括的なアプローチが可能です。また、気管切開孔を有する患者さんは嚥下障害を有することが多いですが、当科では気管切開孔管理にも重点をおいています。気管切開孔狭窄・肉芽の治療や適切な気管カニューレの選択など、個々の患者さんの状態に応じた治療を提供します。
- 慢性副鼻腔炎に対する内視鏡手術は、最新のナビゲーション・手術機器を有し、難易度の高い再手術症例や好酸球性副鼻腔炎症例に対しても、安全かつ確実な手技で対応しています(約1週間の入院)。
診療実績
【代表的疾病(上位5位・手術を除く)(平成30年度)】
順位 |
病名 |
患者数 |
---|---|---|
1 | 突発性難聴 | 154 |
2 | 急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍 | 55 |
3 | 耳性めまい | 28 |
4 | 末梢性顔面神経麻痺 | 20 |
5 | 急性咽喉頭炎・喉頭蓋炎 | 6 |
5 | 遅発性放射線性喉頭壊死 | 6 |
【主要手術(上位5位・中央手術室)(平成30年度)】
順位 |
手術 |
件数 |
---|---|---|
1 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 52 |
2 | 内視鏡下副鼻腔手術 | 24 |
3 | 鼓室形成術 | 10 |
4 | 嚥下機能手術 | 8 |
5 | 気管切開術 | 7 |
スタッフ紹介
医師名 | 専門分野 | 資格 | |
---|---|---|---|
医長 | きむら ゆりか 木村 百合香 |
臨床耳科学・嚥下障害 | 日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医・専門研修指導医・補聴器相談医 日本気管食道科学会気管食道科専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 身体障害者指定医(聴覚、平衡機能、音声・言語機能及びそしゃく機能障害) 難病医療費助成制度における指定医(耳鼻咽喉科) ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター(ICD) 日本高気圧環境・潜水学会高気圧医学専門医 日本気管食道科学会評議員 日本嚥下医学会評議員 日本嚥下医学会認定嚥下相談医 臨床研修指導医(厚生労働省) 医学博士 |
医員 | みずよし ともみ 水吉 朋美 |
耳鼻科一般 | 日本耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医 医学博士 |
医員 | ひらばやし えいこ 平林 瑛子 |
耳鼻科一般 |
◎は連携担当医師です